昔のテレビ職人技(VTR編)

テレビ局に勤めているもののITセクション一筋のため、VTR、カメラ、音声など
といった放送に近い機器や設備のことはほとんど分からない。なので最近、放送機器
設備のベテラン&エキスパートの諸先輩方に勉強会を開いてもらっている。
ITとはまた違ったエキサイティングさがあり、なかなか面白い話が聞ける。

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画像は一見ただの干された昆布に見えるが、実は世界で始めての放送用VTR
「2インチVTR」の磁気テープ。2インチということで幅が5cm位ある。
1950年代から80年代まで長きに渡り活躍していたらしい。何と言っても驚いたのは
昔の編集者達はこのテープに鉄の粉のスプレーを吹きつけ、記録された磁性体の流れを
見て、どこが映像や音声の切れ目かを判別して、実際にテープをカットし接着して
編集していたらしい。僕も見てみたが、細かい筋のようなものはなんとなく見えるが
どれが映像の切れ目かなんてのはまったく分からない。

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で、このいかにもクラシカルな機器が編集機。これでテープを切ったり貼ったりして
編集していた。当時の編集作業現場はまさしく斬った張ったの仁義無き世界だった
らしい(本当か?)。名人の技になると再生しても映像も音声もまったく途切れ
なかったらしい。編集機に貼ってあったステッカーには「1980 MOSCOW」とある。

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西側諸国がボイコットした1980年のモスクワオリンピックの時に使用されたもの。
この時代はまだこんなローテクな機器を使っていたということにビックリ。
日本ボイコットによる、山下の涙顔も瀬古の青ざめた表情もこんな機器で編集して
いたかと思うと感慨深い。
現在、編集はもちろんデジタルのノンリニア編集がほとんど。
1980年当時はまだこれがバリバリの現役だったことを考えると、放送機器の進歩も
この20年でかなりスゴイものがある。