闘う純米酒 神亀ひこ孫物語

以前、二子玉川の「すし喜邑」で薦められて飲んだ「神亀」という酒は、旨みが強く
風味豊かで、後味がすっきりしつつも余韻が長く残る印象的な酒だった。
その酒蔵の蔵元が、三倍増酒と言われるアルコールで3倍に薄めて化学調味料や
糖分や香料など添加物で味付けした営利重視のカスのような酒を造っていたのを
全て純米酒に変えることを決断し、酒米、麹、製法全てを徹底的にこだわり
有数の銘酒を生み出すまでの酒蔵改革ドキュメンタリー。

闘う純米酒 神亀ひこ孫物語

闘う純米酒 神亀ひこ孫物語

杜氏、蔵元の家族、酒米農家、販売店、税務署などいろいろな関係者を
巻き込んで話は進んでいく、特に純米酒に変えることで税収入が減ることから
純米酒造りを認めようとしない税務署との戦いは壮絶だ。
革新的な良い製品、サービスを生み出そうとする時、いつでも
ボトルネックになるのは官公庁関係のような気がするなぁ。
しかし、戦後の米不足対策として造られた三倍増酒が、この豊かな現代にも
大手酒造メーカーを中心に、日本酒流通量の大半を占めていること
それにより「日本酒=ベタベタ甘くて悪酔いする酒」というイメージが崩れず
潰れる酒蔵が多く、杜氏や酒米農家も減り、伝統的な本来の日本酒を造る
基盤がなくなっていることは本当に悲しい。
こういう状況で我々にできることは、真摯な酒造りをしている酒蔵の
良い酒をたくさん飲んで盛り上げることだ。
ということで、この本読んで日本酒モチベーションも最高潮に達していたので
新橋の「光寿」へ。

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この店には残念ながら「神亀」は置いて無かったけど、肴も良いし
純米の生酒や無濾過も種類豊富においてありとても良い店。
奈良の純米無濾過生原酒の「風の森」。飲み応えのある美味しい酒だった。
「神亀」の蔵元の言葉「日本酒は稲作文化の生んだ偉大な華」を実感。